〒220-0071 神奈川県横浜市西区浅間台1-9

診療時間
9:30~12:30 / 16:00~19:00
休 診 日
木曜、日曜・祝日午後
045-314-3710みんなともだち

循環器疾患

循環器疾患

当院では循環器疾患に関しても外部の循環器専門医にアドバイスをいただき、力をいれて診断および治療を行っております。

以下の1~11までの診療と検査を必要に応じ適用し診断・治療を行います。

  • 1.問診

    飼い主様から、当院に来るまでの状態と既往歴も含めた問診を行います。

    問診
  • 2.一般身体検査

    飼い主様立会いの元、実際に触診、聴診などを行います。

    身体検査
  • 3.心電図検査

    心電計を用い心臓の状態を正確に把握します。

    心電計
    心電計
  • 4.血圧測定

    オシロメトリック法およびドップラー法を用い測定します。

    血圧測定器
    血圧測定器
  • 5.血液検査

    基礎疾患や他の疾患が考えられる場合に血液検査を行います。

    全血球検査機器
    全血球検査機器
  • 6.血液ガス検査

    動脈血での酸素や二酸化炭素の量を測定し適切な酸素供給と二酸化炭素の排泄が行われているかを確認します。

    血液ガス分析
    血液ガス分析
  • 7.レントゲン検査および
    レントゲン透視検査

    超音波検査だけでは測れない肺や心臓の状態を確認するためにレントゲン検査を行います。

    X線撮影システム
    X線撮影システム
  • 8.超音波検査(心臓)

    心臓の動きや形をリアルタイムで確認します。

    超音波診断装置
    超音波診断装置

上記の1~8の検査で、心電図に徐脈性不整脈等の異常がある場合は下記の検査を実施します。

  • 9.ホルター心電図

    1日心電図をつけて日常生活を送ってもらい1日中でどれくらい不整脈が出ている確認します。

    ホルター心電計
    ホルター心電計

9の検査で先天性心疾患が疑われる場合は下記の検査を必要があれば実施します。

  • 10.カテーテル検査

    血管にカテーテルを挿入し造影することで心臓の異常を確認します。

    カテーテル
  • 11.超音波造影検査

    超音波造影剤を使用しASDやVSDなどの疾患を診断します。

    超音波造影剤
    超音波造影剤
循環器疾患

咳、運動不耐性(動きが悪い、じっとしている)、呼吸が荒い、失神、命に関わる状態になることもまれではありません。
以下に循環器疾患で診療する疾患例を記載しました。伴侶動物に以下のような疾患と同じような症状がみられた場合は、早期に当院にご受診ください。

よくみられる循環器疾患(例)

下記の疾患はよく認められる病気を記載しましたがそれ以外にも循環器疾患はいろいろありますので気になる症状があれば早期にご相談ください。

僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症(CVHD、CDVD、DMDV、MMVD)は僧帽弁と呼ばれる弁がいろいろな原因により閉じなくなり全身循環に影響する左心系に負荷がかかることで様々な臨床症状が出てきます。好発犬種としてはキャバリアキングチャールズスパニエルがありますが、中高齢期の小型犬にはこの病気が多く認められます。
肺水腫や咳嗽、失神などの症状が出てきます。症状の進行により僧帽弁だけでなく三尖弁逆流なども併発します。
診断はレントゲンや心エコー、心電図、血圧測定等を行い重症度の判定し診断します。
治療としては投薬による内科治療が一般的ではありますが近年は外科手術も選択肢になってきました。

拡張型心筋症

複数の因子によっておこる心筋障害の集合体として定義されている心筋症と呼ばれる病態のなかで過度に心臓が拡張してしまう心筋症を拡張型心筋症と言われています。中齢期の大型犬における発症が多く、ドーベルマン、ボクサー、コッカースパニエル、ドーベルマンピンシャーなどが好発犬種になります。
症状は左心不全による肺水腫や急性心不全による失神、虚脱、突然死などがあり、AFを併発している場合は胸水や腹水がでることもあります。
治療は肺水腫などの緊急時は入院治療になりますが容態が安定した後は内服薬による開花治療になります。

肥大型心筋症

肥大型心筋症は猫においてもっとも一般的な後天性心疾患であり心臓の心筋壁が異常に厚くなることで様々な臨床症状を起こします。臨床症状も心雑音もない猫における罹患率が13%という報告があるほど極めて高い頻度で発生する病気です。臨床症状は咳、運動不耐性などもありますが突然死や失神、呼吸困難などの急性の緊急性の高い症状もあります。この疾患の合併症となる大動脈血栓塞栓症はかなり予後の悪いものとなります。
診断はおもにレントゲンや心臓の超音波検査、血圧測定などになりますが血液検査による心臓マーカーも用いられます。
治療としては緊急時は入院を必要としますが慢性期や症状が軽度の場合は状態に合わせて内服薬による内科治療が主なものになります。
猫の場合は拘束型、分類不能型などの他の心筋症も認められます。

心タンポナーデ

心臓の心膜腔内に液体が貯留することで心臓の機能(右心系)に影響を与えてしまう状態をいいます。原因としては血管肉腫、大動脈小体腫瘍および心膜中皮腫といった腫瘍性疾患、原因不明の特発性出血性心膜液貯留がよく知られています。
レントゲン検査、心臓超音波検査などで診断しますが、心膜穿刺による貯留液の採取は必要になります。
治療としては、心膜穿刺術や心膜切開術、腫瘍の場合は化学療法が主な治療になりますが心膜腔内に液体を貯留させないことが重要になります。

肺高血圧症

肺高血圧症は肺の血管抵抗や血流の増加によって生じる肺小・細動脈の血管内日増殖と線維化を特徴とする進行性の病態であり肺動脈圧が持続的に上昇している状態になります。人においてはダナポイント分類が使用されますが、獣医療の場合は3つに分類されます。基本的な原因は先天性心疾患、フィラリア症などによる肺血管抵抗の増加、他の心疾患(左心系心疾患)による肺静脈圧の増加に分けられます。
検査は身体検査での異常とともにレントゲン検査、超音波検査、パルスオキシメトリーなどを用いて確認します。
治療は先天性の心疾患やフィラリア症などで原因の疾患が治療可能であればそちらの治療を行いますが特発性などの場合は内服薬により進行を抑えていくようにします。

大動脈弁狭窄症

大動脈弁狭窄症は全身循環に影響する左室流出路に狭窄を起こす疾患になり、大型犬に多く認められ、犬の先天性心疾患の多くを占めます。狭窄部位により、弁上、弁性、弁下狭窄に分けられます。狭窄により左心室の拡張が起こりこれより不整脈(AFや心室不整脈など)が起こり失神や突然死の原因になると考えられています。
検査はレントゲン、心電図、心臓超音波検査になります。
治療は血管カテーテルを用いたバルーン拡張術がありますが症状が軽度の場合は投薬による内科治療により心臓の負荷を抑えていきます。

肺動脈弁狭窄症

肺動脈弁狭窄症は、先天性心疾患の中で20から30%と最も多い疾患になります。ミニチュアシュナウザー、ボクサーなどが好発犬種になりますが、日本では小型犬(トイプードル、チワワ、ダックスフンドなど)でも認められます。
肺動脈弁狭窄症もASと同じように狭窄部位により弁下部、弁性、弁上部狭窄に分けられます。K肺動脈が狭窄することにより右心室に負荷がかかり重症な場合は静脈系のうっ血性心不全を起こします。
検査はレントゲン検査、心臓超音波検査、血液検査による伸筋バイオマーカーの確認などがあります。
治療法は無症候および軽度の場合は内服薬による内科治療が行われますが重度の場合は、バルーン拡張術などのインターベンション治療もしくはブロック法・右室流出路拡張術などの外科手術になります。

心房中隔欠損症

心臓の右心房と左心房の間に穴(欠損孔)が生じることでさまざまな臨床症状がでることがあります。偶発的に発見されることや欠損孔が小さい場合は治療を行わないこともあます。
検査としてはレントゲン検査、心臓超音波検査で確認しますが必要な場合は造影検査を行います。
治療としては軽度の場合は内服薬により心臓の負担を減らす内科治療になりますが重度の場合は開心術による欠損孔の閉鎖などの外科手術が櫃量になります。

心室中隔欠損症

心室中隔欠損症は犬、猫、フェレットなどの多種の動物で認められる比較的多い先天性心疾患になります。
心室の間に穴(欠損孔)があくことによりさまざまな臨床症状が出てくることがあります。欠損孔を膜周囲部、筋性部、肺動脈弁下部に分類します。
検査はレントゲン検査、心臓超音波検査で診断します。
治療は根治を目的とした欠損孔の閉鎖をする外科手術か心負荷軽減を目的とした内科治療があります。

動脈管開存症

動脈管開存症は犬の先天性疾患の中で比較的発生頻度(11から20%)が高い病気です。好発犬種としてはコリー、シェットランドシープドック、ポメラニアン、チワワ、ミニチュアダックスフンド、トイプードルなどがあります。胎生期にある大動脈と肺動脈をつないでいるバイパス(動脈管)が開存したままになることで肺動脈に過剰な血流が流れ肺動脈及び左心系に負荷がかかることで様々な臨床症状(運動不耐性、発育不良、呼吸促拍、咳嗽、重症化すると失神、チアノーゼ等)が出てきます。
検査としてはレントゲン検査、心臓超音波検査、必要な場合は造影検査などで診断を下します。
治療としては症状の進行度によりますが根治治療としては動脈管の閉鎖を目的としたインターベンション治療もしくは外科手術(開胸下による直接結紮)になります。

不整脈

心臓の電気的な刺激がうまく機能しないことで様々な臨床症状がでます。不整脈は徐脈、頻脈、上室性、心室性などに分かれます。洞不全症候群はミニチュアシュナウザーやダックスフンド、コッカースパニエル、柴、パグ、シー・ズーなどが好発犬種になります。
臨床症状は失神などの重篤な場合や嘔吐や下痢などの軽度なこともあります。また無症候で臨床症状が出ない場合もあります。
検査は心電図検査で不整脈を確認後にホルター心電図で1日の不整脈の発生率を確認します。
治療としてはVTやVPCなどの緊急性が高い場合は入院管理下にて点滴での抗不整脈薬の投与を行いますがその後は内服薬による内科治療が主になります。洞不全症候群などの徐脈性不整脈で失神が高頻度に起きる場合はペースメーカーの埋め込み術を行って管理します。

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